あらかわで行われてきた昔ながらの漁には、川と深く関わってきた漁師さんの知恵がかくされています。
例えば、漁師さんには魚の気持ちがわかるといいます。 それぞれの魚が住んでいる場所について…それが浅瀬なのか深いところなのか。川底が砂地なのか石なのか。流れの速いところなのか遅いところなのか…漁師さんには経験によって魚が好む場所がわかるのです。
　また、漁師さんは決して川を荒らしません。漁師さんは自分たちが生きるために魚を獲ってきました。だからこそ魚の住む場所、川を大事にしてきたのです。人と魚の共存を一生懸命考えてきたとも言えます。
　そしてこの漁師さんの姿勢は、最近地球上のいろいろなところで叫ばれている環境保護の考え方と同じなのです。
私たち人間は地球上の生き物の一つに過ぎない。これが伝統漁法に秘められている大きな考え方なのです。

伝統漁法の秘密を知る…このことは、今まで見たこともない新しい川の姿を見ること、そしてこれからの地球の姿を想像することにつながっていくはずです。