バン: |
カッパのバンで〜す。 |
トモ: |
カエルのトモです! |
二人: |
二人あわせてバンちゃん・トモちゃんで〜す。 |
バン: |
しかし久しぶりだね、トモちゃん。一体、今まで何していたんだい? |
トモ: |
冬眠… |
バン: |
冬眠って今はまだ秋だよ!(編集部注:取材再開時は秋でした)マイペースにもほどがある! 団長がいつになったら探検をするんだって怒っていたよ。 |
トモ: |
そんなバンちゃんは何していたのさ? |
バン: |
入院… |
トモ: |
えっ?! どうしたの?! |
バン: |
ちょっと自転車で転んじゃってさ…お皿が割れちゃったんだよ… |
トモ: |
そんなの自業自得じゃん! 入院だろうが冬眠だろうが、二人とも探検に行けなかったことにはかわりはない! つべこべ言わず探検に行くよ! |
バン: |
まったく血も涙もない… |
トモ: |
カエルだから血も涙もあるわけないじゃん。(編集部注:嘘です。血はあります) |
バン: |
た、たしかに… |
トモ: |
くだらないこと言ってないで早く!! |
バン: |
は、はい〜!! |
|
|
旧中川にはいくつかの小さな川が交差していた。
ゲートをくぐってから歩くこと20分。荒川と旧中川の間に大きな緑地が広がっている。
家族連れ、カップルなど様々人たちがわいわいがやがや楽しそうに日曜の昼下がりを満喫している。 |
|
|
トモ: |
僕もまぜて〜! |
バン: |
ちょっと!遊びにきているわけじゃないんだから! |
トモ: |
少しくらいいいじゃん、ケチ!あ、あそこでバーベキューやってる!肉食べた〜い!! |
バン: |
こら〜!いい加減にしろ〜! |
トモ: |
ところでさ、ここの広場ってすごく緩やかな傾斜になっているよね。サッカーしてもボールが下に転がっていっちゃうよ。 |
バン: |
ここはスーパー堤防になっているんだな。 |
トモ: |
スーパー堤防?? 堤防がスーパー?? どこにも何も売ってる気配はないんだけど…
|
バン: |
そのスーパーじゃなくて…スーパー堤防というのは普通の堤防と違って幅が高さの約30倍ある堤防のことを言うんだよ。 |
トモ: |
30倍?! |
バン: |
そう、今までの考えでは堤防を高く作って水が越水するのを防いでいたんだ。でも、万が一越水した時には大惨事になってしまう。そこで考えられたのが、このスーパー堤防なんだな。 |
トモ: |
でも、幅を広くすることで何が変わってくるの? |
バン: |
万が一越水しても斜面を水が緩やかに流れていく。しかも堤防が壊れる心配もない。大地震が起きた場合でも勾配がゆるやかなため地滑りにも強い堤防になっているんだよ。 |
トモ: |
へぇ〜、なるほどね。通常の堤防だと要塞みたいで、川がすごく疎遠なんだけど、スーパー堤防になると川がものすごく身近になるよね。 |
バン: |
その通り!災害に対して強くなるうえ、人々の憩いの場としても利用できる。まさに"スーパー"堤防なんだよね。 |
トモ: |
でも、なんでそんなに詳しいの? |
バン: |
そりゃ〜、ダテに568年生きてないですよ。 |
トモ: |
そのお皿の上にのっている本は何? あらかわのふしぎ…? |
バン: |
ち、違う! バカ言ってんじゃないよ! ただの参考書です!! ささ、ドンドン探検すすめちゃうよ〜! |
|
|
さらに歩くこと15分。旧中川と別の川が交差する付近に何やら怪しげな? 建物が見えて来た。
看板には「中川船番所資料館」と書いてある。 |
|
|
トモ: |
バンショ? ここってもしかしてバンちゃんの家? |
バン: |
そんなわけないでしょ!番所ってのは昔、通行人や船舶などを見張り、積み荷の検査などをしていた場所さ。中にはお役人さまがいて… |
トモ: |
へぇ〜。ねぇねぇ、面白そうだから、入ってみようよ! |
バン: |
ちょっと! 人の話を聞きなさい! |
バン: |
行きますよ。行けばいいんでしょ。…あれ?どこ行った? |