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リバーサイド ゴー!ゴー!
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【2004年10月26日 01号】

台風が近づいているのに…

10月19日。「いけいけ川っぷち団」の記念すべき探検第一日目は、雨だった。それもただの雨ではない。大雨だ。台風23号が近づいていて、段々雨足が強くなってくる。

昇ちゃん: なにもこんな日に探検しなくたっていいじゃないですか?
団   長: 雨を恐れて探検ができるか
昇ちゃん: でも濡れるし。
団   長: あ、昇ちゃん濡れるのが嫌なの?そりゃ川っぷち団失格だな。
昇ちゃん: そんな・・・。
団   長: だいたい川の水ってのは元々は雨なんだから。山に雨が降って、川になって、流れて、海に注ぐってわけだ!
昇ちゃん: わけだ!って言ったって・・・。
団   長: ハイ、行ってらっしゃーい!川が海に注ぐところを観てきなさーい!!

というわけで、昇ちゃんが降り立ったのは地下鉄東西線西葛西駅。駅前で地図を見ると、荒川の土手までは結構な距離である。テクテク歩くこと20分。でっかい団地を通り抜けてようやく土手に出た。土手の上の道がある。そこに上がって昇ちゃんは驚いた。何と真っ直ぐな堤防!どこまで続いているのかよくわからない。ずっと先は雨に煙っている。“川が海に注ぐところ”はものすごーく遠い。

ふと振り返って川上を見ると、荒川の脇にきちんと並んでもう一本の川が流れている。標識には『中川』と書いてあった。『中川』は荒川と並行して流れてきて、昇ちゃんの目の前で荒川に合流している。これは自然の川なのかなぁ?昇ちゃんは不思議に思った。『中川』も、それが合流する荒川もどこか人工的感じがしたのだった。

とにかく行ってみよう…昇ちゃんは河口に向かって歩き出した。そのうちに左手に緑の森が現われた。調べると葛西臨海公園だとわかる。また歩き出そうとした昇ちゃんの足が止まった。
「観覧車だ!」
昇ちゃんは公園の中にそびえ立つでっかい観覧車に向かって駆け出した。
「あれに乗って一番上に行ったら河口が見えるかもね!」

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果てしなく続く堤防にゲンナリ気味
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荒川と中川はつながっていました
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観覧車を見つけていっきに
テンションが上がる

大観覧車に乗る

というわけでやってきた昇ちゃん。さっそく乗り場に向かうが、お客さんが一人もいない。
「今日は雨ですからね」と係のお兄さんがそっけなく言った。


昇ちゃん: ぼく観覧車に乗るの初めてなんですけど。
お兄さん: そうですか。珍しい。
昇ちゃん: 怖くないですよね。。。
お兄さん: ハハハ、大丈夫ですよ。バンジ―ジャンプじゃないんですから。
昇ちゃん: そ、そうですよね。。。

昇ちゃんはドキドキしながら観覧車に乗り込んだ。

やめときゃよかった

観覧車のドアがバタンと閉まった。最初はよかった。ゆっくり動くし、そんなに高くないから当たりまえだ。
しかし・・・。半回転したところ、つまり一番高いところで昇ちゃんがふと下を見ると・・・。
「た、高ーい。しかも下に何にも無ーい。でもって風で揺れるー。おまけにゆっくりだからずっと高いまんまー」
昇ちゃんは絶叫しながらさらにまずいことに気がついた。
「何にも見えなーい」
そう、雨のせいで荒川の河口も何も見えやしないのだ。それから10分。地上に近づくまで、昇ちゃんの絶叫が葛西臨海公園にこだました。
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こわいー! 大後悔中
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雨のせいで窓からは何も見えない

三つの鉄則

やっぱり地面はいいなぁ。堤防に戻った昇ちゃんは河口を目指してせっせと歩き出した。こうなったら雨なんか気にしている場合じゃない。歩いて、歩いて…。
ヘトヘトになったころ、どうやらここが河口らしいというところに辿り着いた。川が海に注ぐところ。荒川が東京湾に注ぐところだ。


これで団長に自慢できるぞ!ホッとして写真を撮り始めた昇ちゃん、あることに気がついた。「いけいけ川っぷち団」の三つの鉄則をすっかり忘れていたのだ。"誰かに会うこと" "川に触ること" "川の恵を食べること"

誰かに会うといっても、さっきの観覧車のお兄さんは川と何の関係もない。川に触るといっても、堤防には柵があって川っぷちまで降りられない。川の恵を食べるといっても、昼に食べたのはカレーライスだ!…昇ちゃんは三つの鉄則を一つも実行していなかった。

大ピンチなのに力が出ない。三つの鉄則が重く肩にのしかかる。とぼとぼと堤防を引き返してきた昇ちゃんは荒川を眺めて溜息を漏らした。
するとどうだろう。昇ちゃんの目の前をドドドドッとエンジンを鳴らして小さな漁船が通り過ぎたのだ。東京湾の方から川を少しさかのぼって、漁船は水門から運河へ入っていった。
昇ちゃんはその行く先目がけて走り出した。誰かに会えるかもしれない。雨に濡れながら、昇ちゃんはワクワクした。

漁師さんに会う

小さな漁船は船着場に停まっていた。船上では漁師さんが何やら作業している。
見れば船着場には『葛西漁業協同組合』と書いた漁船が何隻かある。
どれも小さな船だ。昇ちゃんは漁師さんに近づいた。

昇ちゃん: こんにちは。ぼくはいけいけ川っぷち団の近藤といいます
漁師さん: はぁ?
昇ちゃん: いけいけ川・・・。
漁師さん: 誰でもいいけど何しているんだい?こんな雨の中。
昇ちゃん: 荒川を探検してるんですけど・・・。
漁師さん: ほう、探検かい。そりゃ大変だね。
昇ちゃん: はい、そりゃもう色々あって・・いや、あの、漁師さんも大変ですね。
漁師さん: 大変なんかじゃないよ。毎日やってんだから。
昇ちゃん: はい。そりゃそうですよね。ところで今何を?
漁師さん: 網を仕掛けてきたの。あした上げる網を。
昇ちゃん: あしたって、あしたは台風ですよ?!
漁師さん: 誰がそんなこと言った?
昇ちゃん: 天気予報
漁師さん: そんなのよりオレの方が当たるんだから。あしたは台風はまだ来ねぇ。
昇ちゃん: でも・・・
漁師さん: 来ねぇって言ったら来ねぇの!
昇ちゃん: はい、来ません。台風来ません!
漁師さん: 何ならあしたの朝一緒に出かけっか?
昇ちゃん: ど、どこへでしょう。
漁師さん: 海だよ。東京湾。
昇ちゃん: 台風は・・・
漁師さん: 来ねぇの!!

というわけで昇ちゃんはたまたま出会った漁師さんと翌日の漁に出かけることになった。
漁師さんの名は渡辺さん。73歳。荒川の河口と東京湾で子どものときから漁をしている。朝5時集合。台風接近中。果たしてどうなることやら…。

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ひたすら歩く
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ドドドー!という轟音とともに船がやってきた
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船がたくさん停まっています
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運命の出会い!漁師の渡辺さん


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