3回目の新左近川
11月4日昼の12時。とにかくもう一度渡辺さんに会おうと決めた昇ちゃんはまたまた新左近川にやってきた。もうこれで3回目だ!待つこと1時間。渡辺さんは、だいたいこの時間に獲れた魚を市場に卸しに行くと言っていた。が、現れる気配まったくなし。あきらめて帰ろう・・・。昇ちゃんはトボトボ歩きだした。するとどこからか声が・・・。
「おーい、何してんだ?」
「おーいって、ぼくですか?」
「そうだよ、お前だよ」
隣の船の漁師さんだ。不思議そうにこっちを見ている。昇ちゃんは思い切ってその漁師さんに事情を説明した。すると・・・「なーんだ、じゃあこれ持っていけよ!」と言うではないか!・・・ということであっさり魚をもらえることになった。しかも、今朝とれたてのスズキを3匹も!
「今日は大漁だったし、その大きさじゃ売れねぇんだ」
その気前のいい漁師さんの名は伊藤さん。漁師歴は50年以上という、大ベテラン!16才の時からこの漁協で船に乗ってるという、まさに“荒川の男”だ。伊藤さんの船は渡辺さんの船の三倍はある。5、6人で漁に出かけ、魚群探知機で魚を見つけだし、そこに網を降ろして捕るというハイテク漁法だ。
伊藤さんと話をしているうちに、渡辺さんとある共通点を感じた。二人とも漁をこよなく愛していて、何よりも荒川が好きなんだなぁこれが・・・。おまけに70歳を越えているのにエライ元気なんです、これがまた。
「この歳まで好きなことが出来る人って、なかなかいないよなぁ」
と、妙に感心してしまった昇ちゃんでした。
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これまた運命の出会い!
舵左が魚群探知機
スズキgetだ!! |