撮 影
班: |
モシモシ、急ぎの用件があるんですが。 |
団
長: |
まぁまぁ落ち着きたまえ、撮影班のキミ。いったいどうしたと言うんだね。 |
撮 影
班: |
明日、荒川中流付近で「ササブセ漁」の撮影をやります。 |
団
長: |
えっ、何?…「サ・サ・ブ・セ」?? |
撮 影
班: |
知らないんですか?「笹伏漁」ですよ。荒川じゃあ有名な伝統漁法ですよ。 |
団
長: |
あー、「笹伏漁」ね。知っるよ。知ってますとも。「笹伏」でしょ。 |
撮 影
班: |
本当に知ってるんですか? |
団
長: |
何を失礼な!私が荒川の伝統漁法を知らないわけがないだろ!いったい私を誰だと思っているんだ!「ササブセ」だろうが「マチブセ」だろうが、私は何だって知っているのだ!! |
撮 影
班: |
「マチブセ」って漁もあるんですか? |
団
長: |
あ、キミは知らないの?「マチブセ」って有名だよ。 |
撮 影
班: |
し、知りませんでした。 |
団
長: |
もっと勉強するように…で、用件は何なの? |
撮 影
班: |
そうでした。実は、あしたの「笹伏漁」の撮影を『いけいけ川っぷち団』に取材していただけないかと思いまして。 |
団
長: |
あ、そう。取材ね。うーん、どうしようかなぁ…。 |
撮 影
班: |
ダメですか? |
団
長: |
僕らはね、「笹伏漁」なんて飽きるほど見ているんだよね。 |
撮 影
班: |
そこを何とか。『いけいけ川っぷち団』で撮影の様子を紹介してもらえませんか? |
団
長: |
そこまで言われたらなぁ…しょうがない、やるか。 |
撮 影
班: |
そうですか!ありがとうございます!じゃあ明日、お待ちしております。
(ガチャン) |
団
長: |
あっ…場所は?…もしも?し!どこへ行けば「笹伏漁」やってるの〜? |
団長は「笹伏漁」など見たこともない。だから当然漁の場所もわからない。 |
団
長: |
とにかく昇ちゃんを派遣しよう…。イヤイヤ、だめだ。昇ちゃんはまだ下流付近にいる…うーん…そうだ!アイツがいる! |
団長は思いついた。『いけいけ川っぷち団』の二人目の団員。団長はさっそく連絡を取った。
本名、坪田篤人(ツボタ アツヒト)。通称ツボッチ。今年大阪から上京してきたばかり。 |