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リバーサイド ゴー!ゴー!

【2005年01月11日 06号】

 11月30日。荒川の右岸側から左岸側へトコトコと橋を渡る。すると、またまた中川が現れた!こっち側は、コンクリートの壁のまるで要塞のような堤防が続いていた。

ポンプ所

「人と川とが完全に隔離されてるなー」
ちょっと寂しくなる昇ちゃん。少し歩くと小さな水門みたいなものが見えてきた。そばには、なにやら大きな建物がある。看板には“東小松川ポンプ所”と書かれている。
「ポンプ所?…いったい何のポンプ?」
昇ちゃんは疑問に思った。聞いてみようと思ったがどこに入り口があるのかもわからない。何となく人を寄せ付けない雰囲気ある。しかたなく昇ちゃんはポンプ所に電話してみた。

昇ちゃん: もしもし、僕はいけいけ川っぷち団の昇ちゃんといいます。そちらは一体何をする所ですか?
ポンプ所: ここは、汚水つまり下水の水をくみ上げて“水再生センター”に送ったり、集めた雨水をくみ上げて中川に放流したりする所です。
昇ちゃん: なるほど!“くみ上げる”から“ポンプ所”なんですね。
ポンプ所: まー、そういうことです。ここには汚水ポンプが6台と雨水ポンプが8台あるので、それを使ってくみ上げるんですよ。
昇ちゃん: た、大変ですね。そんなにポンプを押してたら疲れませんか?
ポンプ所: いえいえ、押すんじゃありませんよ。
昇ちゃん: え?
ポンプ所: とにかく一回見に来てみますか?それが一番わかりやすいですからね。
昇ちゃん: そんな、14台もあるポンプ押すので疲れていらっしゃるのに、悪いですよ。
ポンプ所: ハハハ、大丈夫ですよ、疲れていませんから、とにかく来てみませんか!

東小松川ポンプ所

12月7日午後2時。約束の時間になっているのにもかかわらず、正面の門は閉まったままで、人がいる気配が全くない。
「おかしいなー、約束忘れちゃったのかな?」
心配になった昇ちゃんは、再び電話をしてみた。

昇ちゃん: もしもし昇ちゃんです。今正面の門の前にいるのですが、開いてないので中に入れないんです。
ポンプ所: え?!おかしいな?門は開いていますよ。
昇ちゃん: いや、閉まってますって!目の前にいるんですから!
ポンプ所: もしかして、“西小松川ポンプ所”のほうに行ってませんか?
昇ちゃん: 西?いやいや看板にはちゃんと東…アー!西って書いてある!!すみません。すぐ、そっちに行きますので!!

西のポンプ所から5kmほど下流へ下った所に東のポンプ所があるということで、とにかく昇ちゃんは全速力で走った。5kmも…。20分後、門の前で所長さんが待っていてくれた。


要塞!?


確かに、西小松川って書いてます・・・

昇ちゃん: ハアハア、すみませーん!遅れてすみません!!
所  長: あれっ、あなたはカエルではなくカッパだったんですか?
昇ちゃん: そ、それは2号のツボッチです!
所  長: あ、そうですか。でも、どちらでもかまいませんですよ。
その、“西小松川ポンプ所”は、全部ここからリモートコントロールで操作しているところなんですよ。
昇ちゃん: リ、リモートコントロール?…人がポンプを押しているんじゃ…。とにかく、今日はよろしくお願いします。


まず、案内されたのが監視制御室。ここですべての装置をコントロールできるという。先程、昇ちゃんが間違えた西小松川ポンプ所と、もっと下流にある“新川ポンプ所”。二つのポンプ所をここからコントロールしている。

所長と洋さん: この、アメッシュという装置は、東京都下水道局が主になって作ったもので、今東京に雨がどのくらい降っているか確認できるものなのですよ。アメッシュ用の独自の観測計を設置していますから、普通の予報よりも正確にわかるんです。それにカッパさんの携帯電話からも見る事ができますから、どんどん活用してくださいね。
昇ちゃん: へー、でもなんで天気予報が大事なんですか?
所長と熊さん: 大雨が来るってわかったら、あらかじめポンプを運転させておきます。そうすればいざとなってもどんどん雨水を放流することができますからね。大雨になってからポンプを運転させていては間に合いませんからね。もしそうなったら東京の街は水浸しになってしまうかもしれませんからね。もっとひどければ大洪水になりかねませんからね。
昇ちゃん: だっ、大洪水!?ここのポンプ、もの凄く大事じゃないですか!人間が押してる場合じゃないよ!
所  長: そのとおりです。今年は、台風が多かったですからこの大きなポンプが今年は大活躍してくれましたね。本当に緊張した日が続きました。

アメッシュ

【東京アメッシュ ホームページ】
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/

所長たちは次々に所内を案内してくれた。雨水や汚水をくみ上げるポンプ。それは確かに大きかった。くみ上げるときに一緒に上がってくるゴミや土や砂等を集める沈砂池。それらを取り除く機械(下水道局では除塵機(じょじんき)や揚砂機(ようさき)と呼んでいる。)。停電したときようのディーゼルエンジンの発電機など。とにかく、何もかもが大きかった。


沈砂池

で、でかい〜

停電用のディーゼルエンジン

熱心に教えてくれた所長
所長と生さん: この計器を見てください。どこかの機械が故障した場合にこのランプが点灯して知らせてくれるんです。その時には僕らは迅速に対応していつでもポンプが運転できるようにしているんですよ。
昇ちゃん: どうしてですか?
所  長: そうですね、その間に大雨がきたらどうなると思いますか?
昇ちゃん: 水があふれて、大洪水!
所  長: そうです、よく分かりましたね。ですから僕らは24時間体制でこのポンプ所を守っているんです。
僕らは東京の「人々の命や財産を守る」という使命がありますからね。

この計器が重要なんです!
昇ちゃん: か、かっこいい!!
所  長: ハハハ、格好いいとかではないんですよ。でもみなさんに一つだけ気をつけて欲しいことがあるんですよ!
昇ちゃん: わかってます。もう場所を間違ったりしません。
所  長: 違いますよ。
昇ちゃん: ポンプを人間が押してるなんて二度と言いません。
所長と小手さん: そのことでもありませんよ。生活排水で油を流さないで欲しいんです!油は下水管を詰まらせる原因になりますし、固まった油が川や海をもの凄く汚してしまうんです。一度汚れた川や海はなかなか元に戻らないんです…。

たくさんの人が、自分だけならいいだろうと思って油を流す。そしてそれが膨大な量になってしまう。自然はそうやって壊されていく。一人一人がいつも気をつけていかなければいけない問題だ。…でも油を流さないってどうすりゃいいの?えらく考え込む昇ちゃんでした。

最後に、いろいろなことを優しく教えてくれた東小松川ポンプ所のみなさん、本当にありがとうございました。普段わからないけど、ポンプ所で働く人たちがいてくれるおかげで自分たちの生活が守られているんだなーと、感じているところです。


お世話になったみなさんと監視制御室にて
昇ちゃんのお願い

川や海に油を流さないためにはどうしらいいのか。みんなも一緒に調べてみよう。下水道局のホームページにもヒントがあるよ。ちなみに、ホームページでは下水道の中をバーチャルで体験できたり、いろいろ面白いことが満載なので、是非見てね。

【東京都下水道局公式 ホームページ】
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/


誰かいいアイディアがあったら教えてください!
教えてくれた人のところには、昇ちゃんが豪華な?プレゼントを届けに伺います。


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