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リバーサイド ゴー!ゴー!

【2005年1月25日 緊急特集号】
 約束の1ヶ月が経ち、三度荒川に現れたツボッチ。果たして笹伏漁の実態は解明できたのか?また、魚は本当に捕れているのだろうか?そして、ツボッチは団長からの任務を完了できたのか?どうなる、ツボッチ!

こっそり下見

12月25日夕方。仕掛けの引き上げと撮影は明日なのに、期待に胸膨らますツボッチはこっそりと撮影前日に来てしまった。もちろん漁師さん、撮影班の人たちはいない。

ツボッチ:

いよいよ明日、引き上げかぁ。ほんまに、あの仕掛けに魚が引っかかるんかいなぁ。
…大漁でありますよう〜
に!


沈みゆく夕日に向かって、大漁を祈るツボッチであった。

1ヶ月も経てば、
仕掛けの中の柳の木にも変化が…
いよいよ引き上げだ〜

翌朝、12月26日6時。眠い目をこすりながら現場にやってきたツボッチは驚いた。もうすでに漁師さん、撮影班が準備に取りかかっているのだ。
気が付けば、仕掛けの周りは"すだれ"のようなもので囲ってある。これは仕掛けの中にいる魚たちが逃げられないようにするためらしい。…ということは、仕掛けの中には魚がもうすでにいるっていうことなのだろうか?

ツボッチ: 漁師さん!この中に魚がたくさんいるってことでっか?
漁師さん: そう、その予定。
ツボッチ: 予定ってまだ分からんの?
漁師さん: 中の木を取り除いてみないことにはわからないよ。
ツボッチ: でも、長年のカンとかで…
漁師さん: 何でもわかってしまったらおもしろくないでしょ!
ツボッチ: ……。

漁師さんの話しによると、1ヶ月もの間放っておくと、仕掛けを作った木の中は魚たちのすみかになるらしい。流れが穏やかな場所であるうえに、魚たちの天敵、川鵜からの被害を逃れることができる場所になるという。居心地のいい場所に人間が集まってくるのと同様、魚たちも居心地のいい場所を求めてやってくるのだ。

そうこうしているうちに、漁師さんたちは水中の木を引き上げ始めた。


寒い中がんばる漁師さん!


中の木を取り除く漁師さん


なぜか横一列に並んでいる…
撮 影 班: そうそう、ツボッチ。言い忘れてたけど、魚が大漁だったら大量に食べれるよ。
ツボッチ: ほんまでっか!うれしいな〜、今日何にも食べてないから腹へってるんですわ。大漁でありますよ〜に!!
撮 影 班: そりゃ良かった。でもツボッチだけじゃ食べきれない場合考えてさあ。ほら、向こう岸!
ツボッチ: えっ向こうぎし…!?うぁあ!

振り返ると、向こう岸には子供たちが大勢!しかも、別の撮影班もいる。

漁師さん: 笹伏漁の見学もかねてさ、近所の子供たちにも来てもらったんだよ。
ツボッチ: ちょ、ちょっと、あれだけいたら僕食べる分全然ありませんやん!追い払ってきます!
撮 影 班: まあ落ちついて、ツボッチ。大人なんだからさあ〜。
ツボッチ: 大人ですけど、腹のへり具合も大人なんっすよ!
撮 影 班: そういうことじゃなくてさ〜、わかってよ。だから子供たちの相手頼むよ。笹伏漁の説明とか、いろいろ言うことあるじゃない。
ツボッチ: う〜ん、わかりましたよ。こう見えても子供の扱い得意なんですわ。大人のツボッチ見せてきま〜す!

ツボッチは向こう岸へと向かった。川を渡るのも慣れたもので、すいすい渡っていった。
が、この日は12月下旬。この前渡ってから1ヶ月は経ってる。荒川の水は氷のように冷たかった。

ツボッチ: うおぉー!
漁師さん: アイツ、また叫んでるぞ。
撮 影 班: もう、無視しましょう。

ツボッチは冷たい水の中で凍り付いていた。こんな冷たい川の中に平然と入っている漁師さんに、ツボッチはまたまた感心するのであった。
その頃、向こう岸では…

子供1: わぁ〜、なんか来る〜!
子供2: 気持ちわる〜い、カッパ?
子供3: あ〜、俺知ってるぞ。前ホームページで見たことある。名前何だっけ…ズボッチ?
ツボッチ: 誰がズボッチやねん!
子供1: うわぁ〜!
ツボッチ: ワシはツボッチや、しかもカエルじゃあ!
子供1: ズボッチ震えてるよ。
ツボッチ: 震えてないわ〜。ツボッチやっちゅうの!
子供2: カッパ脱げそうだよ、ズボッチ!
ツボッチ: くぉらー!ツボッチやぁ〜〜〜!
(あ、あかん、あかん!大人のツボッチ見せなあかんねや。)
子供3: ところで何しにきたの?ズボッチ〜。
ツボッチ: うん!いい質問だね、君。ツボッチは君たちに笹伏漁というものを教えに来たのだよ。
子供1: へ〜、じゃあ笹伏漁の「笹」ってどういう意味があるの?
ツボッチ: えっ…、笹っ?う〜ん…。笹はほら、魚が笹好きなんです…よ。
子供2: 何で笹が好きなの〜?
ツボッチ: 何でと言われても、ね〜。ツボッチが納豆好きなのと同じで意味なんてないです…よ。
子供3: えー、私納豆きらーい。
ツボッチ: こらっ、納豆の悪口を言うヤツはツボッチが許さへんで〜!納豆はね、混ぜれば混ぜるほど…
子供たち: 漁師さ〜ん、魚捕れましたか〜!
ツボッチ: うま味が出て…って無視すんな!
漁師さん: あまり捕れてないなー。とりあえず水槽に入れて、そっち持っていくから〜!
ツボッチ: え〜っ!魚少ないんでっか?くっそ〜、腹へってるのに…。ううっ、ちくしょー!
子供1: 泣かなくてもいいじゃん、ツボッチ元気だしてよ!
ツボッチ: う、うっ…。大人の事情があるんや。ツボッチは大人やからな。君たちが先やもんな…。
子供3: 量が大事じゃないんだから。ほら、漁師さん一生懸命やってくれてるよ。
ツボッチ: そうやけど…。ツボッチはな、ううっ、腹のへり具合も大人なんや。
子供4: まあまあ、元気だしなよー!
ツボッチ: う…うん。
漁師さん: もってきたぞ〜。
子供1: 子供たち:うわあぁ〜!大漁〜!!
漁師さん: ちょっと少ないけどな。持ってきたぞ。
ツボッチ: これって、めちゃめちゃ大漁やないですかあぁ!
漁師さん: 少ない少ない!昔はもっと捕れたんだわ。最近は川辺にゴミが増えて、川が汚れてきている。自然の恵みがどんどんなくなってきてるから、魚も減ってきてるんだよ。
子供1: そうなんだぁー。
子供2: 漁師さん、どんな魚が捕れたの?
漁師さん: 今日捕れた魚は、オイカワ・タモロコ・アブラハヤ・テナガエビもいる。全部で10種類くらいいるかなあ。
子供2: へぇー、いろんな種類の魚いるんだね。
漁師さん: ほら、このちっちゃいヤツはシマドジョウだ。
ツボッチ: へぇー。これも食べれるんですか?
撮 影 班: ちょっと、ツボッチ。今いいところなんだから。撮るから、どいて!
漁師さん: じゃあ捕れた魚、うちの組合でみんなで食べるか〜!
ツボッチ: はい、はーい!
撮 影 班: だから、映ってるって!

無視されてるツボッチ


大漁、大漁!


興味津々の子供たち
その後、組合をお借りして、みんなで捕れた魚を天ぷらや、つくだ煮にして食べた。味は新鮮そのもの!子供たち、ツボッチだけでなく漁師さん撮影班の人たちも一緒になって食べていた。
漁師さん: どうだ?うまいだろっ。
ツボッチ: うまいですね〜ほんと!こんなに食べれるとは…
漁師さん: まだまだあるから、ほら遠慮するな。
撮 影 班: ツボッチ!いろいろがんばったな、俺らの分もやるよ!残すなよ〜。
ツボッチ: わ、わかってますがな。うまいもんはどんだけあっても食べれますよ。
子供1: ツボッチ〜、じゃあ僕のもあげるよ。もうお腹いっぱーい。
子供2: 私のもあげる〜。
ツボッチ: ははは。りょ、漁師さん。魚少し捕れすぎですね…。う、うれしいなーぁ。。

もりもり食べている子供たち
たらふく魚を食べたツボッチは、魚のおみやげまでもらい漁師さんに別れを告げた。撮影班の人たちは、団長によろしく〜と言って去っていった。こうして、ツボッチの「笹伏漁」の撮影取材は終わった。この撮影取材を通じ、いろんな人と出会い、いろんな大自然に触れることができた。そして、少しだけだが賢くなった。ツボッチはまた次の使命を受けるべく、団長のもとへ帰っていった。

ツボッチ: 団長?!次はどこ行きましょか?!

おしまい


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