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【2005年03月22日 07号】
去年の12月9日。師走に入り、寒さがだんだん増してきた。寒さにからっきし弱い昇ちゃんは、家のこたつでゴロゴロと、ミカンを食べつつテレビを見ていた。…と、そこへ団長からの緊急電話が! |
ゴミの引き上げ
船体の真ん中が空洞になっていて、水面のゴミがそこを通ると中央にあるでっかいザル(スクリーンバケット)がゴミを受け止めるという仕組みになっている。ゴゴゴー、アームがスクリーンバケットを持ち上げて、横のカゴの中にゴミを落とし始めた。
昇ちゃん: |
おぉ!真ん中にあるザルが、仕掛けられた魚の漁の網みたいにゴミを取っていくわけですね。まさか、本当に魚が大漁ってことはないですよね?! |
船 長: |
それはないけど、この前、金庫が引っかかってね。 |
昇ちゃん: |
金庫!?ということは中にはお金がたくさん…まさか、持って帰ったとか? |
船 長: |
そんなことはしません!すぐ警察に電話して、取りにきてもらったよ。しかも、中身は書類ばっかりだったらしいよ。泥棒が盗んで、お金が入ってなかったから川に捨てたんだろうね。 |
風は比較的に穏やか。外は寒いが、操縦室の中はストーブもありなかなか快適だ。
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船 長: |
5年くらい前までは、操縦室のない屋根もない船でさ、夏は暑い、冬は寒いで大変だったんだから。おまけにゴミまで多いとさ、本当に気分悪いよね。 |
昇ちゃん: |
そうですよね。例えばゴミが特別に多い日なんてわかるんですか? |
船 長: |
大雨が降った次の日は特に多いな。今の時期は風が左岸側から右岸側からかけて吹くから、岸辺に沢山集まるんだ。これがまた大変なんだよ。降りて拾い集めたりしなきゃならないし。 |
昇ちゃん: |
だいたい川にゴミを捨てなければこんな苦労はしなくていいのに。 |
船 長: |
川だけじゃないんだな。町に捨てられたゴミも全部、雨や風によって配水管などに流されて、最終的には川に集まってくる。その辺に何気なくみんなが捨てるゴミもこの荒川が受け入れて、そして海に流していくんだよね。 |
昇ちゃんは甲板に出て、しばらく荒川を眺めながら考えるのだった。
「あらかわも大変だよな。全く疲れ切ってるよ…うっ!?」
昇ちゃん: |
…あの、ものすごくいいお話の後でくだらない質問なんですが… |
船 長: |
なんだい? |
昇ちゃん: |
皆さん毎日こうやって船に乗っていて、船酔いなんかはしないんですかね? |
船 長: |
船酔い?したことないな。だって、この船そんなに揺れないでしょ?えっ!?まっ、まさか。 |
昇ちゃん: |
そのまさかです… |
船酔いのためあえなく、お昼前に途中下船。うーん、なんとも情けない昇ちゃんだったのでした。 |
ここからゴミを取り入れて
スクリーンバケットへ
集めたゴミをザザーン!
こんなに川辺にゴミがあります |
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