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リバーサイド ゴー!ゴー!


【2005年03月22日 07号】


 去年の12月9日。師走に入り、寒さがだんだん増してきた。寒さにからっきし弱い昇ちゃんは、家のこたつでゴロゴロと、ミカンを食べつつテレビを見ていた。…と、そこへ団長からの緊急電話が!

女の子?

団   長: 昇ちゃん、何してるの?
昇ちゃん: ミカン食ってテレビ見てます。何かご用で?
団   長: それがさ、ついさっき、とあるところから電話があって、大至急来てほしいって言われたんだけどさ…
昇ちゃん: 嫌です。外は寒いし、僕は絶対行きませんよ!
団   長: あっ、そう。女の子からの電話だったんだけどな〜。
昇ちゃん: えっ!
団   長: しょうがないなぁ。じゃあ、つぼっちにでも頼もうかな。
昇ちゃん: もしもし、団長、今ミカン食い終わりました。僕、行きますよ。
団   長: テレビ見てるんじゃないの?
昇ちゃん: テレビ?…あっ、テレビ今壊れちゃいました。団長!僕以外にいったい誰が行くって言うんですか!間違ってますよ!
団   長: なにも怒らなくたっていいじゃないか…まぁ、とにかく頼んだよ。
昇ちゃん: 任せて下さい!私、昇ちゃんは何があっても行ってまいります!

なにがなんだかよくわからないが、とにかく女の子が待っている!?ということで、待ち合わせ場所に向かう昇ちゃんだった。

岩淵水門

荒川にあるでっかい赤い水門“岩淵水門”前にいるということなのだが、女の子どころかほとんど人なんか歩いていない。いるのは、なにやら船で作業している人たちだけだ。すると、船の方からこっちに向かって男の人が歩いてきた。

男の人: 君が昇ちゃんかい?
昇ちゃん: はい?なぜ僕の事を?
男の人: いやいや、噂はかねがね団長さんから聞いてるよ。前から、どうしても水面清掃船に乗せてほしいって連絡をもらってたからね。今日だったら都合が良かったので電話したんだよ。
昇ちゃん: はぁ、で、女の子は一体どこに?
男の人: 女の子?何を言ってるんだい?ここにはいないよ。
昇ちゃん: そうですかー。いませんかー。いるわけないですよねー…くそ〜!団長〜!!

と叫んでも団長に聞こえるわけがない。いとも簡単に団長の嘘に引っかかってしまった昇ちゃん。意気消沈のまま水面清掃船に乗ることになった…。

水面清掃船

だまされたと言えども水面清掃船に乗る機会なんてなかなかない!がんがんゴミを取ってやる!そう心に言い聞かせ舟に乗り込むしょうちゃん。
「それにしてもへんてこな船だな〜」
真ん中に四角くぽっかりと開いていて川面が見える。まるでいけすのようだ。そして、その横には大きなカゴの中に大量のゴミと流木が入っている。

昇ちゃん: 今日はお世話になります昇ちゃんです!彼女はいません!…ところで一体どうやってゴミを取るんですか?
船  長: もう少し経ったら分かるからさ、ちょっと待ってて。
昇ちゃん: イェッサー!キャプテン!


岩淵水門

カゴの中にはゴミの山

清掃船

船長・島田さん
水面からの視点

船はゆっくりと河口へ向かって動いている。ふと見ると右岸側ではちょうど堤防の工事が行われていた。川から見た堤防は、高く、そして長く続いている。
「あんだけ高く作ったらさすがに氾濫することはないだろうな」
一人で感心していると、正面に停泊している船の上から白い旗を振っているおばちゃんがいる。

昇ちゃん: キャプテン!我々の船に降参している人がいます!
船  長: 降参?ははは、あれは進行方向で工事が行われている場合に、安全に通れますという合図だよ。
昇ちゃん: なるほど、僕はてっきりこの船に恐れをなして白旗を振っているのかと思ましたよ。ところで、先程からゴミを取ってる気配が全くしないのですが…
船  長: そんなことないよ。船の真ん中を見てごらん。
昇ちゃん: ア〜、ゴミがいつの間にか溜まってる!!いっ、一体どうやって?


堤防工事中

降参?

ゴミの引き上げ

船体の真ん中が空洞になっていて、水面のゴミがそこを通ると中央にあるでっかいザル(スクリーンバケット)がゴミを受け止めるという仕組みになっている。ゴゴゴー、アームがスクリーンバケットを持ち上げて、横のカゴの中にゴミを落とし始めた。

昇ちゃん: おぉ!真ん中にあるザルが、仕掛けられた魚の漁の網みたいにゴミを取っていくわけですね。まさか、本当に魚が大漁ってことはないですよね?!
船  長: それはないけど、この前、金庫が引っかかってね。
昇ちゃん: 金庫!?ということは中にはお金がたくさん…まさか、持って帰ったとか?
船  長: そんなことはしません!すぐ警察に電話して、取りにきてもらったよ。しかも、中身は書類ばっかりだったらしいよ。泥棒が盗んで、お金が入ってなかったから川に捨てたんだろうね。

風は比較的に穏やか。外は寒いが、操縦室の中はストーブもありなかなか快適だ。

船  長: 5年くらい前までは、操縦室のない屋根もない船でさ、夏は暑い、冬は寒いで大変だったんだから。おまけにゴミまで多いとさ、本当に気分悪いよね。
昇ちゃん: そうですよね。例えばゴミが特別に多い日なんてわかるんですか?
船  長: 大雨が降った次の日は特に多いな。今の時期は風が左岸側から右岸側からかけて吹くから、岸辺に沢山集まるんだ。これがまた大変なんだよ。降りて拾い集めたりしなきゃならないし。
昇ちゃん: だいたい川にゴミを捨てなければこんな苦労はしなくていいのに。
船  長: 川だけじゃないんだな。町に捨てられたゴミも全部、雨や風によって配水管などに流されて、最終的には川に集まってくる。その辺に何気なくみんなが捨てるゴミもこの荒川が受け入れて、そして海に流していくんだよね。

昇ちゃんは甲板に出て、しばらく荒川を眺めながら考えるのだった。
「あらかわも大変だよな。全く疲れ切ってるよ…うっ!?」

昇ちゃん: …あの、ものすごくいいお話の後でくだらない質問なんですが…
船  長: なんだい?
昇ちゃん: 皆さん毎日こうやって船に乗っていて、船酔いなんかはしないんですかね?
船  長: 船酔い?したことないな。だって、この船そんなに揺れないでしょ?えっ!?まっ、まさか。
昇ちゃん: そのまさかです…

船酔いのためあえなく、お昼前に途中下船。うーん、なんとも情けない昇ちゃんだったのでした。

ここからゴミを取り入れて

スクリーンバケットへ

集めたゴミをザザーン!

こんなに川辺にゴミがあります


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